「お墓参りは、いつ行けばよいですか？」そう聞かれる事がよくあります。

答えは「いつでも思い立ったときに」。

年に数回というよりも、多ければ多いほど、ご先祖さまは喜ばれます。
多く参られたほうが、ご先祖さまのお力も強くなり、ご先祖さまとの繋がりも強くなります。ご先祖さまも見守りやすくなります。
とはいえ、忙しい毎日の中で、お墓参りの時間がなかなか取れない方や、身体の具合が悪くて出歩けない方、お墓が遠いところにあってなかなか行けないという方もいらっしゃると思います。

ですが、そんな方も、年に2回、あるいは3回、お盆とお彼岸の時期にはお墓参りをされることをおすすめします。

お盆・お彼岸のお墓参り

日本にはお盆やお彼岸という、ご先祖さまを大切にする行事があり、多くの方はこの時期にお墓参りに行きます。

• お　盆：8月（地域によっては7月）13日から16日までの4日間
• お彼岸：3月の春分の日、9月の秋分の日の前後3日間をあわせた、それぞれ7日間

お盆・お彼岸のお墓参りには特別な意味があります。

◆お盆のお墓参り◆

お盆は、ご先祖さまが家族（子孫）の元に帰れる時期。
お盆の間、仏壇で家族と過ごすことができるのです。
だから、お盆期間中はお墓は留守になります。
お盆中にご先祖さまにご挨拶をする場合は、ご先祖さまの帰っているお家の仏壇へお参りするのがベストなのです。

お盆前にお墓参りに行きましょう。お盆前、7月末から8月初旬ごろが最適です。

◆お彼岸のお墓参り◆

お彼岸（春分の日・秋分の日の周辺）は太陽が真東から昇り、真西へと沈んでいきます。
あの世（死後の世界）とこの世（現世）が真っ直ぐに繋がる日です。この時にお墓参りをして供養をするとご先祖さまに間違いなく思いが届きます。
お供え物も三途の川の向こう岸に届くので、お墓の前にご先祖さまの好物をお供えするとご先祖さまも大喜びです。
あの世とこの世が近くなる時、想いが届きやすい時なのです。

この時期にご先祖さま供養をしないのは勿体ないと、私は思います。
この時期に予定が空いているのに「混んでいるから」とか「交通費が高いから」という理由でお墓参りに行かないのは感心しません。ご先祖さまもテンションが下がってしまいます。

お盆・お彼岸にお墓参りに行けない場合は

◆忙しくてお盆・お彼岸のお墓参りに行けないとき◆

必ずしもお盆やお彼岸の時期にお墓参りをしないといけないとわけではありませんが、「行った方が良いと思うけど…」と、知っているのに知らないフリをすると、ご先祖さまはそんな子孫の姿にがっかりしてしまいます。

そして、がっかりしたご先祖さまは力が弱くなってしまいます。
いざという時に力を貸してほしくても、ご先祖さまは貸すその力が弱いのです。
すると、ご先祖さまは自分の力の弱さに、またとても辛く悲しい思いをすることになります。

時間がなくて行きたくても行けない場合は、ご先祖さまもそのことを十分に理解していますので安心してください。
どうしてもその時期に行けないなら、早めのお墓参りをお奨めします。
私も早めにお墓参りをして「少し早いですが私からのお彼岸の供養です」とお経（般若心経や観音経や阿弥陀経）を読みます。
お経を知らなくても手を合わせて「南無阿弥陀仏（なむあみだぶつ）」と3回以上の奇数回読めば大丈夫です。

◆お墓が遠方でお墓参りに行けないとき◆

お墓が県外や田舎にあると、なかなか思うようにお墓参りに行けないこともあります。
ご先祖さまに申し訳ない気持ちになる方もいらっしゃると思いますが、その想いはご先祖さまにちゃんと届いています。
お墓参りに行くことを心がけることは、ご先祖さまが喜び、力を貸したくなり、応援をしたくなります。
心にご先祖さまを思う気持ちがあれば、神さまや仏さまよりも一番の応援者になってくれるのがご先祖さまなのです。私たちに一番甘いのがご先祖さまです。

今頑張っていることを休んでまでお墓参りに来てもらうことをご先祖さまは求めていません。頑張る姿をいつも応援してくれています。
ご先祖さまは、お墓参りよりも、今必死になって何かを成し遂げようと頑張っている子孫が可愛くて仕方がないのです。心の中で手を合わせているとご先祖さまに想いは届きます。

遠方にあるお墓には実家に帰ったときや、時間ができたときにお参りしましょう。
ゆっくりとお墓を磨きながら、近況報告をすると、ご先祖さまはとても喜びながらお話を聞いてくれます。
何かをお願いしたいときや新しいことを始める前に行くのもよいですね。しっかり応援してくれます。途中、苦しくなったら相談に行くのもいいです。

決まった時に行くというよりも、行けるときに行くようにするとよいと思います。
行かないよりは行く努力が供養になるのです。
どうしても行けないときは、仏壇があれば仏壇に、仏壇がなければお墓の方角に手を合わせると、先祖供養の気持ちを受け取ってくださいます。

お墓参りで一番大事なのは「供養の気持ち」

お盆やお彼岸はご先祖さまと会える日。
顔を見せて、直接会話ができる貴重な機会なので、できるだけこの時期にお墓参りに行くのがよいです。
ですが、いろんな事情でお盆・お彼岸にあわせてお墓参りに行けない人もいます。
それでも、ご先祖さまを思い、偲ぶ気持ちは必ずあの世へ届いています。
ご先祖さまは、心にご先祖供養の思いがある人を、お墓参りに来ないからといって祟ったりはしません。

その意味では、供養の気持ちがないのに、形だけお墓参りに来られることほど、ご先祖さまにとって悲しいことはないですね。
故人は、死んでご先祖さまになっても、気持ちは人のままです。
一番の供養は「思い出すこと」。忘れられてしまうのが一番悲しいのです。