亡くなられた方への供養や、今を生きている人の心の拠りどころとして、お墓参りをされる方も多いのではないでしょうか。
私も父のお墓へ挨拶と報告によく行きますが、お墓は故人との繋がりを強く感じられる場所です。
故人やご先祖さまとの時間、楽しく過ごせばご先祖さまも喜んでくれます。

一般的には、
「お墓の掃除をして、お供えをして、お線香に火を着けて、手を合わせてお経を読む」
という流れでお墓参りをされる方が多いかと思いますが、お墓参りのやり方に「こうしなければいけない」というルールはありません。
なんとなく決まった手順をするのではなく、ご先祖さまへの想いを込めて、ご先祖さまが喜んでくれそうなことをするほうが、想いは届きやすくなります。

お墓の掃除では墓石に水をかけてはいけない？

お墓参りで墓石を掃除するとき、たくさんのお水をかける方がいますが、墓石に多くの水をかけると「（水をかけた本人が）腰を冷やし、腰痛になる」と言われています。
柄杓１杯の水をかけ、その後はきれいなタオルで丁寧に拭きましょう。
墓石は故人のカラダですので、雑巾でなくタオルで拭くことをお勧めします。
そして、墓地の中に生えている雑草もきれいに掃除しましょう。

お墓のお花は、故人があの世で花畑（天国）に入れるように、欠かさない方が良いと聞きます。

お墓にお供え物をするなら

お墓にお供えする物は、法要の時などはある程度決まっていますが、普段のお墓参りでは故人の好きな物をお供えしてください。
宗教的には生モノや肉系の物はNGとされていますが、お坊さんのいない時は故人の喜ぶ物をお供えしても大丈夫です。
私もよく父の好きなマグロのお寿司や唐揚げなどをお供えしたり、トンカツやハンバーガーをお供えすることもあります。
「立派なお供え物をしないといけない」と考えるよりも、故人を想い、故人の好物をお供えする方が亡くなられた方は嬉しいようです。

私は、お供え物は、開封できるものは開封してお供えします。
袋のものはなるべく袋を開けて、フタのあるものはフタを開けて、割ったお箸も付けます。

私は、線香をしてすぐに帰るのではなく、お供えしたものをお墓で食べて帰ることをお勧めします。
ご先祖さまを思い出し、一緒に食事をすることが何よりもの先祖供養になります。
ご先祖さまにお供えしたモノはパワーフードですので、いただくことでたくさんのご利益ももらえます。

私が普段お墓参りに行くときは、お茶は陶器の湯飲みでお供えをし、お酒はワンカップのままフタを開けてお供えをします。
実家のお墓は数が多いので、法要以外は紙コップを使っています。
その時は「紙コップでごめんなさい。」と言いながら、お茶にお酒にと好きだったものをお供えしています。

子どもたちだけで行くときなどは、ペットボトルのままキャップを開けてお供えをして、終わると少しだけお墓の前に撒き、残りは自分たちで飲みます。
お酒は飲むと飲酒運転になってしまうので、全部お墓に撒きます。

お茶やお酒を撒いた後は、墓石の変色を防ぐために、お水できちんと洗い流してください。
また、お茶やお酒は自分のご先祖さまのお墓以外に撒かないでください。寂しい仏さまが寄ってきてしまいます。

お墓参りで唱えるお経

お墓参りではご先祖さまにお供え物を届けるためにお経を唱えます。
読むお経は宗派によって違いますが、お経を知らなければ、ただ手を合わせてご先祖さまを想い、「南無阿弥陀仏（なむあみだぶつ）」と3回唱えるだけで大丈夫です。
「南無妙法蓮華経（なむみょうほうれんげきょう）」でも大丈夫です。
「南無大師遍照金剛（なむだいしへんじょうこんごう）」でも良いです。

ご先祖さまと宗派が違っていても大丈夫です。あの世には宗教派はありません。
ご先祖さまを想い、手を合わせる事が何よりも大切で、どんなお経でもあの世にいるご先祖さまへ届きます。
逆に、どんな立派なお経も気持ちがなければ無いのと同じなのです。

観音経や阿弥陀経や般若心経を唱えられれば良いのですが、「お経を読まないといけないから」とお墓参りが億劫になってしまってはいけません。
お経は定期的にお坊さんにお願いするか、お彼岸とお盆だけはお経を読むと決めてしまえば良いと思います。手を合わせるだけでも想いは届きます。

お墓参りではお経よりも近況報告をする方がご先祖さまに喜ばれます。
手を合わせてご先祖さまに近況報告をしてください。

難しい作法よりもご先祖さまを思う心が一番大切

お墓を建て、お墓参りをすることは、とても大切なご先祖さま供養です。
でも、もっと大切なのはどんな思いで供養するかなのです。
形式ばかりを気にして、「本に書いてあるようしないといけない」とか「難しいお経を読まないといけない」と考えて足が遠のいてしまうよりも、お墓に気軽に足を運んで語り掛けてもらう方がご先祖さまは嬉しいのです。
お墓は通いやすいからこそ、私たちのパワースポットになります。

 
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