石鎚山で山業をして2017年に先達となりました。
先達（せんだつ）とは　石鎚の山を知り神さまを知り石鎚神社から認められた石鎚山の道案内人です。

石鎚山に山業に行くようになって何度もなぜ山に登るのか？と思ったことがあります。

山に入ればいろいろなことがあります。
足が上がらないとき、息が切れ呼吸が出来なくなったりと本当に辛い事も有りましたが
山に登る家に身体の邪気が抜ける感覚がわかるときがありました。


山業では
「懺悔懺悔（さんげさんげ）、六根清浄（ろっこんしょうじょう）」と唱えながら登ります。

自分自身の日常生活を悔いて、神さま仏さまに我が身に反省します。

目に不浄なモノを見て・・悪いことをしている自分を見たり、人の悪事を見て見ぬふりをしたり、人の汚い世界を見ている目。
耳に不浄を聞き・・人の悪口を聞いたり、悪事を聞いたり、耳に入れてくないニュースを聞く耳。
鼻に不浄を嗅いて・・臭いにおいを嗅いだり、悪いことと知りながら話を聞いたりする事。鼻。
口に不浄を口にして・・悪口を言ったり、意地悪を言ったり、人を騙したり、嘘をついたりする口
身に不浄な行い・・人を傷つけたり、ポイ捨てしたり、汚したり、動物を殺したり、食べてりする身。
心に不浄なことを思う・・口にしなくても心に悪いことを思ったり、想像したりする心。
我が身を反省し山に浄化してくださいと願いながら山を登る事です。

普段の生活では、いくら懺悔といっても口先になっていることを知ります。

しかし、山の中では違います。
山に登る時　疲れの中唱えていると、自分の声と仲間の声が重なり、いつしか自分が唱えているのか、仲間が唱えているのか、わからなくなります。
自他の 区別がなくなり体中が熱くなり、汗や脂が流れ出ます。心身の汚れが、みんな出ていくような感覚になります。
普段汗をかく量の何倍もかきます。

その瞬間、六根（眼・耳・鼻・舌・身・意の六つ） が聖なる山に浄化されるという実感が、します。
六根清浄とはこのことかと思います。

身を清め、身体の邪気を出し身も心も聖なる山の一部になるのが山業なのかもしれないです。

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